校長あいさつ



創立140周年をむかえて
平成26年度 校長 林信太郎

  本年,秋田大学教育文化学部附属小学校は,140周年という節目の年を迎えることができました。本校は,1874年(明治7年)に秋田県師範学校の前身である太平学校の附属小学校として創立されました。明治,大正,昭和,平成と140年の長い間に渡って,本校はそれぞれの時代に即した教育の課題について,秋田県の教育界に資する先導的な実践と研究の推進に取り組んでまいりました。それとともに有能な人材を世に多く輩出し,秋田県の発展に貢献してきました。
 これからの10年も伝統を引き継ぎつつ,さらに附属小学校の機能を発揮するために努力を続けていきたいと思います。
 附属小学校の子どもたちが大人になった時,社会のグローバル化がさらに進み,社会の変動ももっと激しくなっていることが予想されます。大きく変わるであろう社会環境の中で生き抜いて行く力を子どもたちには身につけさせたいと考えています。次の3点を主眼において,教育・教育研究を進めて行きたいと考えています。
 第一に,対話を中心にすえた授業を実践し,その研究をすすめることです。本校は,平成24年度から3年間に渡って「仲間と共につくる豊かな学び」を研究主題に,授業研究を推進してきました。豊かな学びとは,子どもたちの自主的,自律的な学びであり,それを保証するのが「対話」です。「対話」を通じた授業には,思考力,判断力,表現力,チームで活動する力を養う効果があります。グローバル化した社会の「地球市民」にはこれらのスキルが不可欠です。少なくともこれからの3カ年,この研究を進めて行きたいと思います。
 第二に教育のモデル校としての外国語教育や理数教育を推進することです。グローバル化した社会では外国語の運用能力が求められます。今後,小学校の外国語教育はどんどん進んで行きます。そのモデル校として,本校では先進的な外国語教育を行う所存です。現在,附属学校園が一体となって進めようとしている幼小中一貫のグローバル教育に取組むとともに,海外協力校との交流やICTの活用など,英語教育の方法論についても研究を進めて行きたいと思います。また,テクノロジーが日々進歩する現代社会の中で生きて行く,あるいは新しいビジネスを立ち上げるためには,理科や数学の知識が必須です。校長自ら先頭に立って理科や算数好きの子どもを育てるために尽力したいと思います。
 第三に,ここまで述べたような学びを保証するために「安全で安心」な学校を作る最大限の努力をしたいと思います。いじめなどの人権侵害のないこと,学校が安全であることが学びを保証する最低の条件です。前者の「安心」については,すでに「いじめ防止基本方針」を策定し,定期的にいじめ防止対策委員会を開催し,いじめ防止に組織的に取り組む体制を構築しました。常に楽しく明るい学校であるための努力は怠れません。また,「安全」については防災に力点をおきたいと考えます。文部科学省のマニュアルにもありますように,学校の防災はその学校の置かれた災害環境を理解することが基本です。この点につきましては,秋田大学地域創生センターの地域防災部門と連携しながら,防災マニュアルや避難訓練の改善を図ります。
 以上の方針のもと,150周年に向けて更なる附属小学校の飛躍を図りたいと思います。そのためには,秋田県の教育機関,秋田大学,保護者の皆様はじめ各方面の方々のご協力とご支援をいただかなくてはなりません。附属小学校とその子どもたちの未来のためにどうぞよろしくお願いいたします。


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